固定資産はどんなもの?
ポイント
・固定資産とは流動資産、繰延資産に該当しない資産
・固定資産は有形固定資産、無形固定資産、及び投資その他資産に分類
流動資産については、「1-3.【貸借対照表】資産と流動資産について」で説明させていただきましたが流動資産に該当しない資産は原則として固定資産として計上されます。
固定資産は、有形固定資産、無形固定資産、及び投資その他資産に分類されます。
有形固定資産は、建物、建物付属設備、車両運搬具、機械装置、器具備品、土地等の個別勘定科目に区分されます。
無形固定資産は、ソフトウェア等の個別勘定科目に区分されます。
投資その他の資産は、投資有価証券、子会社株式、長期前払費用等の個別勘定科目に区分されます。
上記の固定資産の区分をまとめたものが以下の表となります。
固定資産とは、流動資産、繰延資産以外のものをいいます。
固定資産には、建物、建物付属設備、機械装置、器具備品、ソフトウェア等の1年を超えて使用することが想定されるものや、投資有価証券のようにいつ売るかわからないもの等が計上されます。
資産又は負債が流動資産又は流動負債かどうかの判定は、「正常営業循環基準」で判定した後に「1年基準」かどうかで判定することなります。
正常営業循環基準は、建設業等の工期が長期渡るような場合にのみ出てくる話ですので、決算日の翌日から起算して1年内に入金や決済されるかどうかで判定する1年基準ををベースに考えてもらっても差し支えないかと考えています。
詳細は「1-3.【貸借対照表】資産と流動資産について」で説明しておりますので、必要に応じてご参照ください。
なお、勘定科目名は上表に限られておらず、会社毎にある程度自由に決めることができるため、1つ1つ覚える必要ないことだけ意識していただければ大丈夫です。
例:上表では「建物」と「建物付属設備」を別々の勘定科目として記載していますが、会社によっては「建物及び建物付属設備」とまとめて表示している会社も少なくありません。
また建物という表示科目の中に建物付属設備を含めて計上している会社もあります。
とはいえ、勘定科目名を見てもいまいちイメージがわかないという方もいらっしゃるかと思いますので、以下勘定科目毎の具体的な内容について説明させて頂きます。
既に勘定科目を理解しているという方は、読み飛ばしいただいても結構です。
・建物・・・例えば会社が持ちビル1億円で買った場合に、「建物 100,000,000」という風に貸借対照表上に計上されることとなります。実務では、会社が保有する本社ビルや店舗の建物を建物勘定として計上していることが多いです。
・建物付属設備・・・建物付属設備は少しイメージしにくかもしれません。建物に付属している設備は全部建物じゃないのと考えるかたもいらっしゃると思います。
例えば上記の例でいうと建物の本体の価格は1億円であっても、建物と建物内にある空調は別業者が設置することがほとんどかと思います。また空調は、一般の家庭で使用されているような外付けタイプではなく、以下のような写真ようなオフィスにある埋め込み式が建物付属設備として計上される対象となります。
なお、実務では空調の他、建物が完成したあとに会議室増設のためにパーテーションの工事をした際の工事費用についても建物付属設備として計上されます。
・車両運搬具・・・車両運搬具はその名通り、車等が該当します。お客さんを乗車させる旅客輸送業や荷物等を運搬する貨物輸送業では、本業に使用する重要な資産であることから、車両運搬具の計上額が大きくなる傾向があります。
・機械装置・・・機械装置は、工場における切削機械等、ベルコンベアー、溶接機械等のあらゆる機械が機械装置計上されます。製造業にとっては重要な資産となり、建物と並び計上金額が大きくなる傾向にあります。
・器具備品・・・器具備品は、コンビニおける商品棚であったり、本社におけるPC、机、イス等のあらゆる資産が器具備品が計上されます。
・ソフトウェア・・・ソフトウェアは、例えば社内における販売システムを外部のソフトウェア会社に構築を依頼し完成したものをソフトウェア勘定に計上されます。
なお、社内で開発した場合のソフトウェアの計上額については、「研究開発費等に係る会計基準」に規定されております。少しややこしい会計基準ですので、わからない方はまずは、ソフトウェアは、ソフトウェア勘定に計上されるということだけ抑えていただければ大丈夫です。
・投資有価証券・・・投資有価証券は、売買目的有価証券、満期保有目的の債権(1年超え)、子会社株式、関連会社株式以外の株式が投資有価証券として計上されます。
まとめ
① 固定資産とは、流動資産、繰延資産以外のものをいう
② 固定資産の多くは1年超えで入金や決済される又は決済可能なもの(但し例外あり)
③ 固定資産は、有形固定資産、無形固定資産、及び投資その他資産に分類