税務基礎編

消費税申告

消費税及び地方税の申告書について

消費税法は、厳密には消費税及び地方消費税に区分されます。消費税が計算され、当該消費税額に基づき地方消費税の金額が決定します。

消費税法では課税事業者になると、その課税事業者は課税期間ごとに、当該課税期間の末日の翌日から2か月以内に、次に掲げる事項を記載した申告書を税務署長に提出しなけばならないとしていいます(消費税法第45条第1項)。

ただし、課税事業者であっても、国内おける課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れがなく、かつ納付すべき消費税額がない課税期間については税務署への申告書の提出義務はないとしています(消費税法第45条第1項ただし書き)。

なお、通常休眠会社でない限り、上記のただし書き以降のようなことは生じる可能性は低いと考えられるますので、事業を行っている限り、消費税の税務署への申告書の提出義務はあるものと考えられます。

消費税は10%又は8%と理解している方がほとんどかと思いますが、当該10%は及び8%は以下のように国税部分と地方税部分に区分されております。

軽減税率は①酒類、外食を除く飲食料品、②週2回以上発行される新聞(定期購読契約に基づくもの)を対象に適用される税率となります。

区分 標準税率 軽減税率
消費税率 7.80% 6.24%
地方消費税率 2.20% 1.76%
合計 10.00% 8.00%

 

消費税及び地方税の申告書の種類

消費税及び地方消費税の申告書には、主に以下のような種類の申告書があります。

①消費税及び地方消費税確定申告書(第一表)「課税期間分の消費税及び地方消費税の申告書」

第一表は、納税地、会社名等の納税者の基本情報を記載するとともに、売上等により受け取った消費税額から仕入により支払った消費税額のうち控除可能な控除対象仕入税額等を計算して納税額を計算するものとなります。

なお、消費税と地方消費税はそれぞれ別々に計算する構造となっている点に留意が必要となります。

消費税及び地方消費税確定申告書(第二表)「課税標準額等の内訳書」

②第二表は、第一表に記載するための課税標準額等の内訳を記載する申告書となります。

売上等の課税資産の譲渡等の対価の額の内訳であったり、売上に返還等があった場合の返還等に係る税額を記載するものとなります。

③付表1-3 「税率別消費税額計算表 兼 地方消費税の課税標準となる消費税額計算表」

この付表は、次の⑴又は⑵に掲げる事業者が、消費税及び地方消費税の(確定、中間(仮決算)、還付、修正)申告書(一般用)(以下「申告書(一般用)」といいます。)を作成する場合に使用し、申告書(一般用)に添付して提出するものとなります。

⑴ 簡易課税制度を選択していない事業者
⑵ 簡易課税制度を選択していても基準期間の課税売上高が 5,000 万円を超える事業者

なお国税庁のHPには、「申告に係る課税期間に旧税率(3%、4%又は6.3%)が適用された取引がある場合は、付表1-1及び付表1-2を使用してください。」とありますが、通常該当することがないため無視していただいて問題ないかと考えられます。

④付表2-3 「課税売上割合・控除対象仕入税額等の計算表」

この付表は、次の⑴又は⑵に掲げる事業者が、消費税及び地方消費税の(確定、中間(仮決算)、還付、修正)申告書(一般用)(以下「申告書(一般用)」といいます。)を作成する場合に使用し、申告書(一般用)に添付して提出するものとなれています。

⑴ 簡易課税制度を選択していない事業者
⑵ 簡易課税制度を選択していても基準期間の課税売上高が 5,000 万円を超える事業者

なお国税庁のHPには、「申告に係る課税期間に旧税率(3%、4%又は6.3%)が適用された取引がある場合は、付表2-1及び付表2-2を使用してください。」とありますが、通常は該当しないことから、該当しない場合は無視していただいて問題ありません。

■旧税率(3%、4%又は6.3%)が適用された取引がある場合に作成する申告書

下記は、「旧税率(3%、4%又は6.3%)が適用された取引がある場合」に作成する申告書となりますが、該当しない場合は無視していただいて問題ありません(通常は該当しないことのほうが多いかと存じます)。

⑤付表1-1 「税率別消費税額計算表 兼 地方消費税の課税標準となる消費税額計算表〔経過措置対象課税資産の譲渡等を含む課税期間用〕 」

➅付表1-2 「税率別消費税額計算表 兼 地方消費税の課税標準となる消費税額計算表 〔経過措置対象課税資産の譲渡等を含む課税期間用〕」

⑦付表2-1 「課税売上割合・控除対象仕入税額等の計算表 〔経過措置対象課税資産の譲渡等を含む課税期間用〕 」

⑧付表2-2 「課税売上割合・控除対象仕入税額等の計算表〔経過措置対象課税資産の譲渡等を含む課税期間用〕 」

 

■その他の付表

以下に該当する場合は、各付表の作成が必要なります通常は該当しないことのほうが多いかと存じます)。

付表6 「死亡した事業者の消費税及び地方消費税の確定申告明細書」

この付表は、個人事業者が死亡したことにより、その相続人が消費税及び地方消費税確定申告書を提出する場合に使用してください。

計算表5-(1) 「課税資産の譲渡等の対価の額の計算表〔軽 減 売 上 割 合 (10 営 業 日 ) を使 用 す る 課 税 期 間 用〕」

この付表は、軽減対象資産の譲渡等(軽減税率6.24%適用分)を行う事業者が、適用対象期間中に国内において行った課税資産の譲渡等(免税取引及び旧税率(6.3%等)が適用される取引は除きます。)の税込価額を税率の異なるごとに区分して合計することにつき困難な事情があるときに使用することができます。

計算表5-(2)

軽減対象資産の譲渡等(軽減税率6.24%適用分)を行う事業者が、適用対象期間中に国内において行った卸売業及び小売業に係る課税資産の譲渡等(免税取引及び旧税率(6.3%等)が適用される取引は除きます。)の税込価額を税率の異なるごとに区分して合計することにつき困難な事情があるときに使用することができます。

(参考サイト:国税庁HP

 

消費税及び地方税の申告書の提出方法

消費費税及び地方消費税の確定申告書を完成すると申告書を提出する必要があります。

消費費税及び地方消費税の確定申告書の提出方法は、3通りあります。

1.e-Taxで申告する
2.郵便又は信書便により、住所地等の所轄の税務署又は業務センターに送付する
3.住所地等の所轄の税務署の受付に提出する

なお、e-Taxで申告する場合には、e-Taxサイト内に従った方法で申告書を作成しなければならない点、留意が必要となります。

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公認会計士_TATA

大手監査法人で製造業、金融業、小売業、電力業、介護、人材派遣業、の幅広いクライアントの監査に10年以上従事し、中小会計事務所のコンサルタントの経験したのちに、会社を設立。 現在は、各種コンサルタント業務に従事している傍ら、会計・税務に関する情報を発信している。

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