貸借対照表はどんなもの?
ポイント
・貸借対照表の構成要素(資産、負債、及び純資産の内容)
・資産=負債+純資産の関係について
一般的に決算書と呼ばれているものの正式名称は財務諸表といったり、会社法上においては計算書類と言います。
実務的には、決算書、財務諸表、又は計算書類のいずれの表現を使っても通じるかと思いますが、あまり明確に区別して表現している方は少なく、決算書という表現も普及しています。
財務諸表には、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュ・フロー計算書等があります。
実際に公表されている財務諸表をご覧になりたい方はEDINETから検索することができます。
財務諸表をどこまで作成するかは、適用する法律によって異なってきます。例えば、会社法においては、貸借対照表は英語でBalance Sheet(バランスシート)といい、実務においては、頭文字を取ってよくBS(ビーエス)と呼ぶことがあります。
ミーティング等の場面でBSと言われてもビックリしないようにしておきましょう。
それでは、貸借対照表とはどんなものか実際に見ていきましょう。以下の表をご覧ください。なお、「貸借対照表はどう見ればいい?」も併せてご覧ください。
ココがポイント
① 貸借対照表は左側に資産、右側に負債と純資産が記載されます(資産と負債と純資産が一列で記載されている場合もあります。)。
② 資産合計と負債と純資産を合計した金額は必ず一致します。
貸借対照表とは、一定時点における企業の財政状態を表すものとなります。
会社は、事業運営の結果を把握するための一環として貸借対照表を作成する必要があります。
貸借対照表によって以下のような事項を把握することができます。
・例えば1月1日に会社を設立し、12月31日がちょうど1年とした場合、12月31日現在において現金がいくら残っているのか
・本社ビルとして賃貸契約を行い、その際に敷金を支払った際の敷金を将来の回収可能な権利がいくらあるか
・会社の事業運営資金のため銀行からお金を借りた場合の将来の返済義務がいくらあるか
このように貸借対照表には、お金や権利、借金といったものがいくらあるのかを把握する表であることを抑えて下さい。
上表の緑色の文字にご注目下さい。貸借対照表は資産、負債、純資産の3つから構成されます。
3つの構成要素のうち、資産は簡単に言うと将来会社にお金を生み出す元になるもの。
負債は簡単に言うと将来会社にお金が出ていく原因となるもの。
純資産は資産から負債を引いた差額をいいます。
具体的にな数値を使うと1,700,000円(資産)-1,090,000円(負債)=610,000円(純資産)となります。
純資産は簡単に言うと会社設立時の会社に入れた元手と、会社設立後に儲かった又は損したお金となります。
まずは貸借対照表は資産、負債、純資産の3つから成り立っていることを抑えて下さい。
資産・負債には通常1年以内に費用化又は支払が発生しているものを「流動資産又は流動負債」といい、1年以上のものを「固定資産又は固定負債」といいます。
流動資産、流動負債は決算日の翌日から起算して1年内に入金又は支払期限が到来するもの、固定資産は決算日の翌日から起算して1年超えて入金又は支払期限が到来するもの抑えて下さい。
なお、上表には記載していませんが、資産には流動資産、固定資産のほか繰延資産というものがあります。
繰延資産には、創立費、開業費、開発費等が該当します。
頻繁に出てくる項目ではないことから、基本段階ではそんなものがあるんだなぁ程度で問題ないかと思います。
まとめ
① 貸借対照表とは、一定時点における企業の財政状態を表すもの
② 貸借対照表はBS(ビーエス)と呼ばれることがある
③ 貸借対照表は資産、負債、純資産に区分される
④ 資産=負債+純資産の関係がある
⑤ 資産は、流動資産、固定資産、繰延資産に区分される
⑥ 負債は、流動負債、固定負債に区分される