商品売買について
会社は、なんからの営業活動を行うことにより収入を得ています。具体的には食糧品等を生産者等から買ってきて、お店等並べたりやWebに掲載して販売を行っている会社や、美容師や理容師のように髪を切ったり、カラーリングをしたり等のサービスを提供している会社や、スマフォのゲーム等の開発し提供している会社等の様々な会社があります。
今回はそのなかでも、食料品等の商品の買ってきて行ってそれを販売するという営業活動である商品売買について見ていくことにしましょう。
商品売買(仕入)
コンビニにような商品を販売するお店は、販売するためにパンやお菓子等の商品を外部から購入する必要があります。
この商品を外部から購入することを仕入(しいれ)といいます。
商品は将来に向かって価値があるものですので、資産に該当します。
商品を仕入れたときの処理方法として商品勘定で処理する分記法と、費用である仕入勘定で処理する方法を三分法がありますが、日商簿記3級は三分法を前提とした処理が問われるので、三分法を前提に説明します。
ちなみに、分記法と三分法という言葉は覚えなくても問題ないので、そんな言葉あるのか程度で大丈夫です。
それよりもこの後に説明する仕訳の理解に努めてください。
仕入勘定を使った仕訳①
それでは、具体的な仕訳を見ていきましょう。これから説明するところは「4.決算書作成までの流れ」でいうところの「①仕訳」となります。
【決算書作成までの流れ】
(例題1)会社は商品A仕入し、100円の代金を現金で支払った。
【解説】
それでは上記の仕訳の解説をします。
ここで思い出していただきたいのが以下の表です。
仕入は費用として処理される科目となります。
まずは仕入=費用を抑えてください。
そのうえで、商品Aを100円仕入しているため(三分法では費用に計上)、借方科目に仕入を記載し、金額は100円を記載します。
でもこれだと借方=貸方となっていませんね。
簿記は必ず借方=貸方の金額が一致しますので、これだけでは解答として誤りということなります。
このため、貸方科目にも記載が必要となります。
今回は、現金100円を支払っているので、現金勘定を減らすため貸方勘定に記載します。
仕入勘定を使った仕訳②
上記は、商品Aの仕入を行った際に、現金での支払いを前提に記載させて頂きました。
でも、仕入するたびに現金で支払うって面倒ですよね。
このため、通常仕入先との間で、1か月後の月末に前月分を支払条件等の具体的な内容を契約で決めてまとめて支払うことが通常です。
この支払条件に基づきまとめて支払ったり受け取ったりする取引を掛け取引といいます。
掛け取引は末締め翌月末払い等で設定されることが多いです。
例えば、4月の仕入を集計して翌月の5月末に支払うというような掛け取引が多いです。
具体的に仕訳を見ていきましょう。
(例題2)会社は4月11日に商品Aの100円を掛仕入した。なお掛仕入の支払条件は末締め翌月末となっている。
【解説】
それでは上記の仕訳の解説をします。
ここで再度思い出していただきたいのが以下の表です。
仕入は上記での説明の通り費用として処理される科目となります。
そのうえで、商品Aを100円仕入しているため、借方科目に仕入を記載し、金額は100円を記載します。
でもこれだと借方=貸方となっていませんね。
簿記は必ず借方=貸方の金額が一致しますので、これだけでは解答として誤りということなります。
このため、貸方科目にも記載が必要となります。
今回は、掛取引としていますので、買掛金勘定を使用します。
買掛金は将来においてお金が出ていく原因を作るものですので、負債勘定となります。
これで仕訳は完成です。
なお、買掛金は負債勘定となり、いずれは支払わなければならないものとなります。
本例では、翌月支払うこととなりますので、買掛金の支払い時には、以下の仕訳が記載されることとなります。
上記は借方科目の買掛金の記載は買掛金の減少(負債の減少)を意味し、貸方科目に現金を記載は、現金の減少(資産の減少)することを意味します。
これにより、買掛金を現金で支払ったという状況を、仕訳で表すことになります。
仕入戻し、仕入値引の取扱い
お店から仕入を行った際に商品の品違い、傷、汚れ等の理由にお店に届いた商品を仕入先に戻すことがあり、仕入先に戻すことを「仕入戻し」といいます。
仕入戻しと聞くと少し難しく感じるかもしれませんが、仕入戻しは返品と理解していただければ問題ありません。
仕入戻しは実際にモノが移動することになります。
仕入戻し=返品
また例えばお店が仕入れた商品の数量不足、品質不良などを理由で仕入価格から一部値引きを受けることを「仕入値引」といいます。
仕入値引は、仕入価格からの減額ですので実際にモノは移動しません。
仕入値引き=仕入価格の減額と理解
それでは、具体的な仕訳を見ていきましょう。
(例題3)会社は4月11日に商品Aを100円で掛仕入した。なお、商品Aのうち10円分については品違いのため返品した。
【解説】
それでは上記の仕訳の解説をします。
なお、上記仕訳のうち、(借方科目)仕入100 (貸方科目)買掛金100の仕訳に関しては、例題2と同様になりますので解説を割愛させていただきます。
ここで再度以下の表を確認してください。
今回の例題では、返品を行っていますので、仕入、買掛金をそれぞれを減額させる必要があります。
言い換えると一部仕訳の取り消し処理をするということとなります。
仕入は費用勘定となります。仕入は借方に記載すると増加しますが、貸方に記載すると減少します。
今回は、返品を行っていますので、仕入を貸方に10記載します。
でもこれだと借方=貸方となっていませんね。
簿記は必ず借方=貸方の金額が一致しますので、これだけでは解答として誤りということなります。
このため、借方科目にも記載が必要となります。
今回は買掛金勘定という負債科目を減少させる必要がありますので、買掛金を借方科目に記載して10を記載することになります。
上記の解説では仕入から考えましたが、もちろん買掛金から考えても全く問題ありません。
重要なことは、借方=貸方の関係が成立することです。
(例題4)会社は4月11日に商品Aを100円で掛仕入しました。なお、商品Aのうち一部に傷があったため15円の値引きうけた。
【解説】
それでは上記の仕訳の解説をします。
なお、上記仕訳のうち、仕入100/買掛金100の仕訳に関しては、例題2と同様になりますので解説を割愛させていただきます。
今回の例題では商品に傷があったため仕入額から値引きを受けていますので、返品の場合と同様に仕入勘定、買掛金勘定をそれぞれを減額させる必要があります。
仕入勘定は費用勘定となります。仕入勘定は借方に記載すると増加しますが、貸方に記載すると減少します。
今回は、値引を受けていますので、仕入勘定を貸方に10記載します。
でもこれだと借方=貸方となっていませんね。
簿記は必ず借方=貸方の金額が一致しますので、これだけでは解答として誤りということなります。
このため、借方科目にも記載が必要となります。
今回は買掛金勘定という負債科目を減少させる必要がありますので、以下のように借方科目に買掛金を記載します。
上記の解説では仕入から考えましたが、もちろん買掛金から考えても全く問題ありません。
重要なことは、借方=貸方の関係が成立することです。
今回は買掛金勘定という負債科目を減少させる必要がありますので、買掛金を借方科目に記載して15を記載することになります。
ちなみに仕入戻し、仕入値引きの区分が面倒という方は、少し雑なですが仕訳上は仕入戻し、仕入値引きもいずれも仕入勘定を減らすためことだけ抑えていただければ大丈夫です。
まとめ
1.「仕入」勘定は費用に関する勘定科目
2.借方科目に「仕入」を記載すると費用の増加、貸方科目に「仕入」を記載すると費用の減少を意味する
3.仕入値引きもいずれも「仕入」勘定を減らす必要あり
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